2018/05/14 - 17:37

面接、それはいったいなんなのか

:

:

:

わたしたちは

  • より自社にマッチした人材を採用したい
  • その一方でそうではない人をなるべくならば採用したくない

このように考えながらITエンジニア採用面接をしている。
非常によくある話であり、企業の都合を鑑みればご納得いただけるものと考える。
このように心得て面接をやればよいのだから、非常にシンプルな話ではある。

ここでの主題は
「どのようにやればわたしたちの考えるその結果に行き着く、ないしは近づくのか」
ということであり
「どのようにやれば今回の応募者が自社にマッチする人かそうでないか判別がつくのか」
ということである。

なので「わたしたちは今現在、どのように面接を行っているか」という話をしたい。

『面接官が意識すべきこと』の共有

以下を2017年8月ごろから2018年現在にかけて面接官になった人には事前に読んでいただくようにした。
また社内に共有するようにした。このようなことは隠すことではない。
おそらく自覚的/無自覚的に書籍 How Google Worksを参考にしている部分が大いにあると考える。

その一方で「われわれはGoogleではない」という自覚もある。なかったらまずい。
「Googleでは」系の書籍には「Googleの成功例」が載っているに過ぎないので真似してもしょうがないとも考えている。

またこれは個人的な考えであるが、「直感はおおよそ正しい」というものがある。
なのでそのことを強調して書いたものである。他者とのバイアスに負けるより面接官個人の己の直感を信じてもらうほうがよい、というスタンスである。

  • 基本的に採用しない(採用したがらない)こと
  • 面接官であることと、被面接者の間に上下関係がないことを常に意識すること
  • 可否決定に際して他の面接官とのすり合わせをしない/バイアスに負けないこと
  • 「質問をして回答を得る」の1対1対応ではなく、会話の中に質問を織り交ぜることも努力すること
  • プロダクトから得た利益を分配する「もう一人」に加えても惜しくないと感じるか考えること
  • あなたの直感は正しい
  • その上で面接官自身、ないしは自社に存在しない異端(でありかつ必要)な人材を客観的に評価できるか意識すること
  • 面接官ないしは自社エンジニアが被面接者から学びを得る可能性を意識すること
  • 自社に本当に必要な職能/レイヤを埋める人材であるか判断すること
  • あなたの直感は正しい
  • 「過去に面接官自身ができたこと」を「被面接者ができない」としても短絡的に否定的な感情を抱かないこと
  • 「過去に面接官自身ができたこと」を「被面接者ができるようにならない」と短絡的に否定的な将来像を抱かないこと
  • 面接官自身の立場が危うくなるような優秀な人材を採用すること
  • 「面接官」「既存のプロパー」という安全地帯からの採用ではなく、面接官自身の挑戦につながるような採用を行うこと
  • 採用が被面接者にとっての将来の不利益にならないよう、期待値調整を行うこと
  • 採用以外の被面接者にとってより優良な将来の可能性を感じた時、ビジネスを捨ててでも被面接者に伝えること
  • 面接(採用活動)は自社のビジネス発展以上に、一エンジニアである被面接者のよりよい将来を一緒に考えるためと意識すること
  • あなたの直感が正しい

面接官が共有で利用できるような簡易質問集

新卒、中途それぞれの採用面接で利用できるような簡易な質問集を作成しこれも共有した。
話に詰まったり、序盤の会話のリズムを面接者と面接官お互いで作れるようにという役どころである。
ここには突飛な質問、奇抜な質問、ピアノ調律師やひよこ鑑定士の数を尋ねるような質問は存在しない。
どこの面接でも聞かれるようなありふれたものである。

なのでこの質問に対する回答単体で採用可否に影響する可能性は低いと考える。
わたしたちはなるべく面接者の全体的な整合性を見るようしている。
その整合性のなかに「たしかにgit使う必要性はなさそうだな」とか「Dockerもお呼びでなさそうだよね」があれば、
興味がなくて触ったことがなかったとしても問題をそこまで感じないのである。
むしろ「興味があるのに触ったことがない」方が問題だと感じる度合いは強い。

非対称性をなるべく排除することを考える

「被面接者と面接官の力関係は、こと面接会場においては同等ではない」と思える。
実際そのようなことはなく同等であってしかるべきだが、「面接」という機能上そうは回らない。
すなわち面接会場という空間をメンテナンスせずにほっておけば、
被面接者は緊張のあまりか卑屈に萎縮し、面接官は安全地帯からの物言いにより増長することを意味する。
これではたして「今回の応募者が自社にマッチする人かそうでないか判別がつくのか」?

ということでまずはじめに被面接者に以下のような宣言を行い、非対称性を排除する努力を共有する。

  • 今回のゴールを設定したい
  • 被面接者であるあなたのゴールは「弊社のことをいい面悪い面含めて知ること」だと推察する
  • 弊社のゴールは「被面接者であるあなたのことをより誤解なく正確に知ること」である
  • これは最終的にお互いが利害関係なく同じゴールを目指せるものと考える
  • なので丁寧に質問しようとして言語化がうまくいかない可能性があるならば、率直に言ってくれた方が嬉しい

さいごに

掲題に答える。
面接、それはいったいなんなのか。
思うに将来の同僚とのはじめての共同作業ではあるまいか。